熱海秘ストリア・五七五 第3回写真俳句物語コンテスト入選発表

10月1日より開催されていた第3回「熱海秘ストリア・五七五 写真俳句物語コンテスト」にご応募頂き有り難うございました。応募作品自由句部門44作品、課題句部門21作品より各部門各5作品を入選としここに発表いたします。賞状、副賞は後日の発送をもってかえさせて頂きます。平成26年は、3ヶ月ごと3回のコンテストを開催しました。初年のこころみで手探り状態で開催をしましたが、何とか終わらせることができました。皆様のご協力と感謝します。 

Ⅰ・自由句部門・入選者発表

 撮詠大賞   山本 清正さん(東京都町田市)

第三回コンテスト自由-01hp

伊豆スカイラインに接して、この「峠の茶屋」があります。古い茅葺の屋根の家が複数建っていて、そこには敷石がこの様にイレギュラーに敷かれ連なっています。こんな景観をこうしてぼんやり眺めていると懐かしく、時をさかのぼってご先祖のもとへと誘われているかのような感じになります。

 

撮詠賞   八杉 智代さん(静岡県熱海市)

第三回コンテスト自由-02hp

数年前にできた山の上の公園です。このベンチ、昨年の春、仲間と訪れた時にもこの状態でありました。寒い今日、暖かかった当時を思い出し、妙になつかしく感じ心が温まる思いでした。

 

撮詠奨励賞   三ケ尻 澄江さん(静岡県藤枝市)

第三回コンテスト自由-05hp

 冬の日差しを透かして、紅葉のグラデーションがとても美しい。この紅葉も、やがて散りゆくであろう。古希を迎えた私の心境と何か重なる想いであった。冬ざれの中で、しばし佇んで眺めていた。

 

撮詠奨励賞   藤井 恵一さん(埼玉県熊谷市)

第三回コンテスト自由-04hp

 定年を迎えた夫は、妻を温泉旅行に誘った。山間の古い湯治場で水入らずの一夜を過ごし、帰路 瓢湖畔を散策した。朝からの梅雨がふとやんで、浮かんだ蓮の葉に雨粒が時を刻んでいた。この旅の短さと過ぎてきた夫婦の旅の長さを思った夫であった。

撮詠奨励賞   成川 和子さん(静岡県長泉町)

第三回コンテスト自由-03hp

五百羅漢も色々お姿を見ましたが、このお寺の羅漢様は、みんな笑顔のやさしい笑い顔で、とても幸せになりました。

 

 

Ⅱ・課題句部門・入選者発表

 

第三回コンテスト課題-00hp 

 

撮詠大賞   松永 房子さん(愛知県名古屋市)

第三回コンテスト課題-01hp

ゆで卵が茹で上がる10分~15分の待ち時間のわくわく感・どきどき感がなんともいえません。それは小春日のような温かさを伴う幸せなひとときでした。

 

撮詠賞   小宮 里さん(静岡県長泉町)

第三回コンテスト課題-02hp

久しぶりに会った友人と、談笑しながらぶらぶらと七湯を巡りました。暖かな日差し、温泉の香りが情緒をかもし出し、気持ちの良い時間与えてくれました。

 

撮詠奨励賞   久喜 聖子さん(愛知県名古屋市)

第三回コンテスト課題-03hp

米寿の母と歩幅を合わせて、小沢の湯へ辿り着いた。温泉卵が出来るまで、熱海七湯の謂れをパンフレットをもとに説明。日向ぼこでの温泉卵も、ひと際美味しく感じられた。

 

撮詠奨励賞   前島 清治さん(静岡県藤枝市)

第三回コンテスト課題-05hp

農協の慰安旅行で二十年ぶりに熱海を訪れた。温暖な熱海をのんびりと散策。相模灘もあの日のように、美しく輝いている。時折、頬に冷たい風があたる。もう師走か。

 

撮詠奨励賞   杉本 由季さん(静岡県沼津市)

第三回コンテスト課題-04hp

 

 

 

 

お風呂好きの多い同窓会。熱海七湯巡りは楽しいイベントとなりました。もちろん宿ではずっとおしゃべりです。時のたつのも忘れて語りあかしました。

 

参考)以降はコンテスト応募要項です

熱海写真俳句撮詠物語では、「熱海-秘ストア・五七五」のイヴェベント名で 展示会、講演会、コンテスト等を行っています。平成26年は、4月より3ヶ月の間隔で年3回のコンテストを開催します。これは、熱海市観光協会主催で毎年行っている「熱海写真俳句ストーリーコンテスト」の系統を引き継ぐものですが、当会独自で行うもので熱海市の多くの方々の協賛の下で開催されます。部門は二つです。ふるってってご投稿頂き「楽しみ、スキルアップ、仲間作り」にお役立て下さい。写真俳句を多くの皆様に楽しんで頂き、その普及の一助とならんことを願っています。

 ■ 自由句部門  課題はありません。写真(2L程度)+俳句+物語(100文字程度)
 ■ 課題句部門  当会が提示した写真に 俳句+物語(100文字程度)

 ● 送り方  提示する内容を記入 郵送メール、当会HP上web投稿 等 

後 援: 一般社団法人熱海市観光協会、MOA美術館
協 賛: 蕎麦処「多賀」、菓子舗「間瀬」、酒井恵理子(絵はがき・熱海百景シリーズ)

* コンテストの詳細は こちら(PDF) からご覧下さい。

2014-予定表

熱海秘ストリア五七五01 熱海秘ストリア五七五02

 

第3回・課題句部門 熱海七湯

10月1日 ~12月15日

2014-第3回課題

 小沢の湯・平左衛門の湯

 ここ「小沢の湯」は熱海七湯の一つ。高温の熱湯が常時噴出しており「温泉たまご」を10分ほどで作ることができ、人気です。熱海といえば、「温泉」です。第三回はこの「熱海温泉」を課題とします。「小沢の湯」七湯の代表として課題としましたが、七湯を詠んでいただいてもよいものとします。ここは、元々は沢口弥左衛門、藤井文次郎、米倉三左衛門の庭の湯を「平左衛門の湯」と称されましたが、土地の人は小沢(こさわ)の地にあることから「小沢の湯」と呼ばれました。

清左衛門の湯と同様、人が大きな声で呼べば大いに湧き、小さな声で呼べば小さく湧き出たといわれています。この場所での温泉たまご作りは人気で知られ、用意された専用のカゴを使って玉子をゆでることがでる。(道向かいの商店で卵が売られています) また、ここには熱海市の水道水源の1つである「丹那湧水」も併設されおいしい水を飲むことができます。 

熱海温泉の起源

天平宝字年中(8世紀半ば)に箱根山の金剛王院に住した万巻上人(まんがんしょうにん)が、熱海の海中に温泉が湧いてその熱湯のために多くの魚介類が死んでいたのを哀れみ、海浜に祈祷の壇を築いて100日間の勤行に励むと、満願の日に内陸部へと湯脈が移ったので、その傍らに「湯前権現」と称して温泉の守護神として「湯前神社」に少彦名神(すくなひこなのみこと)を祀っている。中世以降広く「湯前権現」と称され、鎌倉時代に源頼朝を初めとする歴代将軍や幕府の要人が走湯、箱根の二所権現に盛んに参詣するようになると、広く湯治の神として喧伝された。

熱海七湯

日本屈指の温泉郷である熱海は、源泉数も多く、豊富な湧出量を誇っています。その熱海温泉の歴史に重要な位置を占めてきたのが、『熱海七湯』と呼ばれる自噴の温泉で、熱海の名湯として知られ、大正年代まで残っていました。(『続熱海風土記』)ですが残念ながら現在は実在しません。平成9年、市制60周年事業の一環として、熱海市の温泉の歴史を築いてきた「熱海七湯」の再整備を行ないました。現在の「熱海七湯」は当時の温泉施設を復元したモニュメントで、現在は、観光用の「熱海七湯」として銀座とおりを約1時間のコースとして紹介されています。
 今回課題の「小沢の湯」(こさわのゆ)は、高温源泉が湧出する七湯の一つです。おおよそ10分くらいでゆで卵ができることで人気です。道路の反対側のお店屋さんで卵を売っていますのでぜひ体験し味わってみてください。
熱海七湯の紹介および、湯前神社の紹介をします。ぜひコースをめぐり句を詠んでみてください。
関連HP:  熱海市観光協会の記事  七湯ガイドマップ(PDF)

 

 湯前神社

熱海サンビーチから銀座通りを通り、左手にニューフジヤホテルを見ながら登った先に湯前神社はあります。クスノキの大木が枝を広げた下の鳥居が目印です。ホテルやマンションに囲まれていますが、ここだけは静かな佇まいを感じさせます。

  鳥居をくぐると右手に少彦名命の像と共に手水鉢があり、熱海らしく温泉が流されています。境内は広くありませんが、小さな鎮守の森を形作っています。境内にある石鳥居と石灯籠はクスノキとともに熱海市の指定文化財に指定されています。祭神は温泉の神様である少彦名神(スクナヒコナノカミ)を祀っています。これは、天平宝字年中(8世紀半ば)に箱根山の金剛王院に住した万巻上人(まんがんしょうにん)が、熱海の海中に温泉が湧いてその熱湯のために多くの魚介類が死んでいたのを哀れみました。そして、海浜に祈祷の壇を築いて100日間の勤行に励むと、満願の日に内陸部へと湯脈が移ったので、その傍らに「湯前権現」と称して温泉の守護神として少彦名神を祀るようになったといわれています。

  中世以降は広く「湯前権現」と称され、鎌倉時代に源頼朝を初めとする歴代将軍や幕府の要人が走湯、箱根の二所権現に盛んに参詣するようになると、広く湯治の神として喧伝されました。

 毎年春秋(2月10日・10月10日)に神前に大湯の温泉を献じて浴客の健康を祈る献湯祭が行われます。江戸時代に江戸城へ熱海温泉の湯水を献上した古例に因みおこなわれており、神前に大湯の温泉を献じて浴客の健康を祈るとともに、「湯汲み道中」が再現されます。

現在の湯汲み道中は東京オリンピックの新幹線開通を記念して再開され、笛伶会が熱海ばやしで先導し、ミス梅の女王や熱海芸者衆、市内の有志が続くユニークなものになっています。

 献湯みこしは若い男女が担ぎ、これを守護する裃姿の道中奉行には、市議会議員をはじめ、名士の方々が多数参加し、市中が賑わう熱海市を代表する観光行事のひとつとなっています。

① 大湯

大湯は熱海銀座通りの北に佇む熱海シンボルで、人工間欠泉として約5分おきに熱泉を噴出しています。

間歇泉として世界的に有名な自噴泉だった「大湯」の噴出は当時昼夜6回でした。噴出時は地面が揺れるようであったといわれます。 明治中頃から次第に減少し、末頃には完全に停止してしまいました。しかし、関東大震災の折に再び噴出を確認されました。

1962年に約5分おきに中央の洞から熱泉を吹き上げる人工間欠泉として整備され、熱海市の史跡に指定されました。「市外電話創始の地」のモニュメントや初代駐日英国公使オールコックの碑と愛犬トビーの墓石も併設されています。

場所/熱海市上宿町 湯前神社下

大湯1

 

② 小沢の湯・平左衛門の湯

 風呂の湯から細い路地を山側に抜けると、日本たばこ産業の前に小沢の湯が現れます。元々は沢口弥左衛門、藤井文次郎、米倉三左衛門の庭の湯を「平左衛門の湯」と称されましたが、土地の人は小沢(こさわ)の地にあることから「小沢の湯」と呼び、併称となっています。

清左衛門の湯と同様、人が大きな声で呼べば大いに湧き、小さな声で呼べば小さく湧き出たといわれています。この場所で温泉たまごを作ることができることで知られ、専用のカゴを用意し、向かいの商店で玉子を販売しています。ただし、噴出状況によりできないこともありますからよく確認して下さい。熱海市の水道水源の1つである丹那湧水の飲用水栓も併設されています。

場所/日本たばこ産業前

小沢の湯1

 

③ 野中の湯

小沢の湯からホテルアイオラ脇を抜け、熱海図書館横を上がり中銀ライフケア咲見の入口に野中の湯があります。

この辺りは野中山の麓にあたり、地名が野中であることから、その名が付きました。一帯は、かつては泥の中に湯が噴いて杖で突けば湧き出したといわれています。江戸時代は湧出地が浅かったため、湯をためる湯枡を設けなかったとされています。このあたりの土は丹(赤色の土)に似ていたので、壁を塗る材料にも用いられていました。

場所/中銀ライフケア咲見 入口

野中湯1

 

④ 清左衛門の湯

河原湯からコンビニの横を抜けて再び山側へ移動すると、老舗旅館「古屋旅館」の前に湧く清左衛門の湯があります。

昔、農民の清左衛門という者が馬を走らせて、この湯壷に落ちて焼け死んだので、 その名が付いたといいます。明治までは、昼夜常に湧き出てたえることがありませんでした。人が大きな声で呼べば大いに湧き、小さな声で呼べば小さく湧き出たといわれています。

場所/古屋旅館玄関前

清左衛門湯1

 

⑤ 風呂の湯・水の湯

清左衛門の湯の前から路地を抜けて、ホテル貫一から少し下った坂の右側(福島屋旅館の西側)に風呂の湯があります。

かつては坂町高砂の庭から湧いていたもので、外傷に良いといわれ、湯気の上騰が盛んだったことから、まんじゅうを蒸したり酒を温めたりして販売していたといわれています。

「風呂の湯」のそばから1.5メートルほど東に湧いていた塩分のない温泉が湧いていました。明治11年、大内青巒の熱海史誌には、「淡白無味常水をあたためるもののごとし」と記されていたことから、「水の湯」と名付けられ、現在も2つの湯が寄り添うようにして佇んでいます。

場所/福島屋旅館前

水の湯1

 

⑥ 佐治郎の湯・目の湯

大湯からサンビーチに向かって下っていくと銀座通りの左手に佇むのが「佐治郎の湯」です。かって佐治郎という者の邸内にあったことから名付けられました。明治時代には上杉助七という者の邸内にあり、その後「新かど旅館」の所有となったことで「新かどの湯」と呼ばれたこともありました。

この湯は火傷、眼病に効くと言われ、別名で「目の湯」と言われました。現在はその効能はなく、高温ということもあり、目を洗うことなどは決してしないでください。

場所/銀座通り・スルガ銀行横

 目の湯2

 

⑦ 河原湯

目の湯からさらにサンビーチに下り、国道135号線の交差点を左に曲がってすぐのところに河原湯があります。

昔はこのあたりを東浜といい、道もなく石のごろごろした河原で温泉が絶えず湧き出ている村人の入湯場でした。湯治客は「大湯」の源泉が主に使われ、他の源泉も限られた家のみが使用するお湯で、 熱海村の農民や漁師や近郷の人達が自由に入浴できるのはこの「河原湯」だけでした。

寛文6年(1666年)小田原城主稲葉美濃守が、 村民のために浴室を設けてその屋根を瓦葺としたため、「瓦湯」と称したとも言われています。

この湯は神経痛やリューマチなどに効能があり塩分が多く、 人が入ると透明な湯が白く濁るほどであったといいます。

場所/国道135号上り沿い・熱海商工会議所近く