今生に 舫うすべなし 花筵

k-ando

それぞれの人生を乗せた筵は、うたかたの如く波間に漂い、やがては明鏡の水面にあってさえ、彼の地へと向かう定めから逃れることはできない。空気の微かな揺らめきのなか、音もなく花落ちる朝でした。(吉宗が桜を植えさせた飛鳥山にて)

埼玉県)安藤一政さん

第一回熱海写真俳句ストーリーコンテスト優秀作