熱海七湯

大正時代当時、熱海には七つの自噴温泉が点在し湯けむりを立ち上がらせていたました。平成9年に市制60周年事業の一環として、「熱海七湯」の再整備を行い、情緒豊かな当時の熱海温泉を再現しました。(熱海七湯は入浴施設ではありませんのでご注意下さい)。

現在、熱海七湯として当時の温泉施設を復元したモニュメントが街中に点在しています。観光協会では押印帳を配布しており、スタンプラリーも楽しめます。ぐるっとめぐって約1時間のコース。古き良き熱海温泉の歴史をめぐって熱海七湯の写真俳句を作ってみましょう。

 

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大湯

大湯は熱海銀座通りの北に佇む熱海シンボルで、人工間欠泉として約5分おきに熱泉を噴出しています。

間歇泉として世界的に有名な自噴泉だった「大湯」の噴出は当時昼夜6回でした。噴出時は地面が揺れるようであったといわれます。 明治中頃から次第に減少し、末頃には完全に停止してしまいました。しかし、関東大震災の折に再び噴出を確認されました。

1962年に約5分おきに中央の洞から熱泉を吹き上げる人工間欠泉として整備され、熱海市の史跡に指定されました。「市外電話創始の地」のモニュメントや初代駐日英国公使オールコックの碑と愛犬トビーの墓石も併設されています。

場所/熱海市上宿町 湯前神社下

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佐治郎の湯・目の湯

大湯からサンビーチに向かって下っていくと銀座通りの左手に佇むのが「佐治郎の湯」です。かって佐治郎という者の邸内にあったことから名付けられました。明治時代には上杉助七という者の邸内にあり、その後「新かど旅館」の所有となったことで「新かどの湯」と呼ばれたこともありました。

この湯は火傷、眼病に効くと言われ、別名で「目の湯」と言われました。現在はその効能はなく、高温ということもあり、目を洗うことなどは決してしないでください。

場所/銀座通り・スルガ銀行横

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河原湯

目の湯からさらにサンビーチに下り、国道135号線の交差点を左に曲がってすぐのところに河原湯があります。

昔はこのあたりを東浜といい、道もなく石のごろごろした河原で温泉が絶えず湧き出ている村人の入湯場でした。湯治客は「大湯」の源泉が主に使われ、他の源泉も限られた家のみが使用するお湯で、 熱海村の農民や漁師や近郷の人達が自由に入浴できるのはこの「河原湯」だけでした。

寛文6年(1666年)小田原城主稲葉美濃守が、 村民のために浴室を設けてその屋根を瓦葺としたため、「瓦湯」と称したとも言われています。 

この湯は神経痛やリューマチなどに効能があり塩分が多く、 人が入ると透明な湯が白く濁るほどであったといいます。

場所/国道135号上り沿い・熱海商工会議所近く

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清左衛門の湯

河原湯からコンビニの横を抜けて再び山側へ移動すると、老舗旅館「古屋旅館」の前に湧く清左衛門の湯があります。

昔、農民の清左衛門という者が馬を走らせて、この湯壷に落ちて焼け死んだので、 その名が付いたといいます。明治までは、昼夜常に湧き出てたえることがありませんでした。人が大きな声で呼べば大いに湧き、小さな声で呼べば小さく湧き出たといわれています。

場所/古屋旅館玄関前

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風呂の湯・水の湯

清左衛門の湯の前から路地を抜けて、ホテル貫一から少し下った坂の右側(福島屋旅館の西側)に風呂の湯があります。

かつては坂町高砂の庭から湧いていたもので、外傷に良いといわれ、湯気の上騰が盛んだったことから、まんじゅうを蒸したり酒を温めたりして販売していたといわれています。

「風呂の湯」のそばから1.5メートルほど東に湧いていた塩分のない温泉が湧いていました。明治11年、大内青巒の熱海史誌には、「淡白無味常水をあたためるもののごとし」と記されていたことから、「水の湯」と名付けられ、現在も2つの湯が寄り添うようにして佇んでいます。

場所/福島屋旅館前

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小沢の湯・平左衛門の湯

風呂の湯から細い路地を山側に抜けると、日本たばこ産業の前に小沢の湯が現れます。元々は沢口弥左衛門、藤井文次郎、米倉三左衛門の庭の湯を「平左衛門の湯」と称されましたが、土地の人は小沢(こさわ)の地にあることから「小沢の湯」と呼び、併称となっています。

清左衛門の湯と同様、人が大きな声で呼べば大いに湧き、小さな声で呼べば小さく湧き出たといわれています。この場所で温泉たまごを作ることができることで知られ、専用のカゴを用意し、向かいの商店で玉子を販売しています。ただし、噴出状況によりできないこともありますからよく確認して下さい。熱海市の水道水源の1つである丹那湧水の飲用水栓も併設されています。

場所/日本たばこ産業前

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野中の湯

小沢の湯からホテルアイオラ脇を抜け、熱海図書館横を上がり中銀ライフケア咲見の入口に野中の湯があります。

この辺りは野中山の麓にあたり、地名が野中であることから、その名が付きました。一帯は、かつては泥の中に湯が噴いて杖で突けば湧き出したといわれています。江戸時代は湧出地が浅かったため、湯をためる湯枡を設けなかったとされています。このあたりの土は丹(赤色の土)に似ていたので、壁を塗る材料にも用いられていました。

場所/中銀ライフケア咲見 入口

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熱海観光協会 七湯めぐり押印帳(PDF)はこちらからダウンロードできます。