第4回熱海写真俳句ストーリーコンテスト結果

平成28年1月9日から2月29日の期間に行われた第4回熱海写真俳句ストーリーコンテストの入選作と森村誠一賞が決定いたしました。

第4回コンテストの応募作品は自由句部門、課題句部門を合わせて170作品の応募がございました。

各部門5作品の入選作が決まり、その中から特別審査員の森村誠一氏の選出で各部門から1名の森村誠一賞を決定いたしました。

入選者の方々には記念品、森村誠一賞の方には記念品とカシオ電子辞書をお送りさせていただきます。おめでとうございました。

自由句部門 森村誠一賞

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石川県金沢市 酒井和平さん

閉園間近の御苑を出ようすると紅白の振袖姿の二人連れに出会った。どんなシチュエーションなのか分からないが、振袖の形や着付けは色を除けば全て同じに見 えた。お願いして撮らせて貰う。撮影後、挨拶をして帰ろうと歩き出したが、何か気になって振り返った。二人は所作を合わせなが紅白の梅林の暗がりに紛れよ うとしている。慌てて撮影したが、やがて二人の姿は見えなくなった。

森村誠一講評

満開の紅梅。気品高い梅の香り。その背後から聞こえてくる水の音。近くからか、遠方からか。視覚、聴覚同時に稼働されながら夕闇が濃くなりつつある梅園の奥に美しい幻影のような紅白二人連れの振袖姿とすれちがう。

さりげない挨拶を交わしながら搖搖(ようよう)と暮れまさる梅林の奥に消えていったミステリアスな姿が、瞼に刻まれて光の影のように時がたつほどに鮮明になっていく。二人は梅の妖精であったのかもしれない。


課題句部門 森村誠一賞

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静岡県御殿場市 岩浅利泰さん

母子家庭にて4人の子を命がけで育てあげた母は、今軽度の認知症。高潔でいじらしかったあなたは、咲き誇る白梅が、今この様に見えているのでしょうか。

森村誠一講評

四人のお子さんを命がけで育てあげられたお母さんの視野に入った白梅の海。咲き誇る気品高い白梅の香り。お母さんの人生は、きっと四人のお子さんが成果となって白梅の香りに包まれているでしょう。

軽度の認知症なればこそ、四人のお子さんに囲まれて、その背後に広がる白梅の海に馥郁(ふくいく)たる香りは、母子家庭のお母さんそのものとなって視野を埋めているでしょう。入選おめでとうございます。


自由句部門入選作

さくら駅発花吹雪銀河行き 初花や寺に世継ぎの生まれたる
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石川県の能登地方を走る第三セクターのと鉄道の能登鹿島駅。別名、能登さくら駅。その名の通り、上下のホーム沿いに数十本のソメイヨシノが植えられていま す。普段は乗り降りの少ない無人駅なのですが、四月半ばの満開の時期には多くの花見客が訪れます。今回の写真はそんな4月のさくら駅から星空を写したも の。深夜なので花見客もなく、風も無いので90分の長時間露光で撮影。印象的な写真が撮れました。 昨年4月、ウコン桜を見に初めて「春の西福寺」を訪れた。染井吉野は盛りをすぎ、ウコン桜に主役交代の時期であった。市内の他の桜名所は、多くの花見客で にぎやかであるが、ここは静寂の中。寺の方にも出会わない。私の玉砂利を踏む足音だけがする。本堂前のあわし黄緑色のブーケの様な花房を写真におさめ、庫 裏まで来ると入り口にベビーカーが置かれていた。中から子をあやす若い声がきこえてきた。
石川県小松市 牧田竜太郎さん 福井県敦賀市 岡本海月さん
分校や「サクラガサイタ」二部授業 矢のごとく往きて戻らぬ花盛り
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小学一年生の国語の頁に「サイタ サイタ サクラガサイタ」片仮名の文字があった。私も別の分校の卒業をしたものですが、一教室に一年生と二年生が二部教室でした。今は創立百年の記念碑として学童の像だけが跡地に残っていた。 川路桜で知られる奈良の佐保川の堤で桜を観賞しました。折しもJR電車が川を通過したので、一方通行で過ぎてゆく「時の流れ」と「短い桜の栄華」を重ねていました。
静岡県沼津市 杉山榮一さん 奈良県奈良市 堀ノ内和夫さん

課題句部門入選作

聞き慣れぬ言葉が触れて梅光る 校了の朝の梅の真白かな
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日本人ではない話し声が聞こえて来てここ熱海梅園にも、外国からの観光客が訪れているのを知るのです。 校正作業が完全に終了した朝は、心身ともに爽快です。白梅も一段と輝いています。
神奈川県横浜市 吉田宏さん 静岡県熱海市 杉山公宏さん
梅が香や十七文字の恋模様 紅梅や水の流れを背なに聞き
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冬の終わりを告げるかのような梅の香が漂う頃になると冷たい空気の中にも浮き立つような気分が沸き起こります。熱海梅園にも句碑がいくつかありますが、句集などには恋の歌も数多。梅園の梅が香を楽しみながら俳人たちの恋の歌を思い起こしておりました。 小川の流れと満開の紅梅を写しました。水の音を開きながら紅梅をきれいに咲いたと思います。
東京都国分寺市 前田幸恵さん 静岡県駿東郡 成川和子さん

 

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